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なくせ! 労災隠し
ISBN 978-4-939042-09-6 C0036
毎日新聞大阪本社 労災隠し取材班
発行 アットワークス/2004年11月発行
体裁 A5判・ 208ページ・ ソフトカバー
定価 本体1,500円+税

   

本来は労災保険を適用すべきなのに健康保険で処理していた件数が10年間で58万件約40億円分にも上ることが発覚したことから、労働現場・医療機関・労働行政・相談機関などを取材し「労災隠し」の実態を連載した毎日新聞大阪本社取材班のドキュメント。連載後から反響を呼び、現在までの労災認定の取り組みもフォローしている。
労災隠しをなくすための著者たちの提言、相談機関連絡先(全国の労働局・全国労働安全衛生センター連絡会議)なども掲載してあり、労働組合・医療機関・企業労務担当・相談機関・労働行政など関係者や労災に悩む被災者などの必読書。

内容目次
 記者の目
  まかり通る労災隠し
 労災隠しの現場から
  “労災隠し”がなぜ、まかり通るのか
  ゼネコンの内部事情取材
  労災隠しをはね返し、補償交渉で和解
  労災隠しをなくすために
 報道記事から
  毎日新聞(大阪本社版)2000年11月11日〜労災隠し取材記事
 労災をめぐる諸問題
  忸怩たる思いの医師
  労災問題専門家たちの声
  労災に対する労働行政
  国会質疑から
  労災認定への新たな動き
   腰痛・化学物質過敏症・原発被ばく・アスベスト(石綿)
 都道府県労働局所在地・全国労働安全衛生センター連絡会議

『なくせ!労災隠し』を推薦する

全国労働安全衛生センター連絡会議議長・医師
               天明 佳臣

 よい本が出た。
 これは労災保険について、全国紙の記者たち自身が制度の実際を知らなかったことを正直に認め、取材に取材を重ねた上で、働く人びとのために、その制度と現状、そして問題点を正確に、かつわかりやすく提示した本だ。
「記者の目」、「労災隠しの現場から」、「報道記事から」、「労災をめぐる諸問題」の四部から構成されている、その「労災隠しの現場から」冒頭の五点にまとめられた労災保険の有利な点の説明にまず感服し、読み進められた。新聞記者のプロの筆力もあるだろうが、それだけではないだろう。政府刊行物との違いは、徹底して労災被災者の立場に立ち、事実を追求しようという記者たちの「志」にあるに違いないことが、ひしひしと伝わってきた。

(本文より一部抜粋)

読者コメント

 “労災隠し”が何故おこなわれるのか、実例を通して、わかりやすくその理由が説明されている点がよい。例えば、下請けでの労災申請は、仕事を切られてしまうという下請けの不安や弱みにつけ込む大企業(例えば「ゼネコン」)の横暴で法無視のもと、妨害されている実態を暴いている。よく「ゼネコン」が元請けの建設現場で、“安全第一”や“無災害××日”などの看板を見かけるが、本当にそうなのか疑ってみる必要がある。

 公立保育所調理師、頚肩腕症で8年もの歳月の後、東京霞ヶ関ビルまで行きましたが、裁決は公務外との判定でした。書店でこの本を見つけ希望が持てました。公務災害を餌にする悪徳弁護士の対処方法を教えてください。(50歳代・女性)

 私の職場の六法全書みたいな気がします。改めてご奮闘に敬意を表します。(女性)

 労災行政OBとして、及び労働相談の経験から、労災隠しの実態を若干知っているつもりですが、本書で述べられている以上の深刻さがあるようです。労働行政職員の大多数で組織している労組からも内部の声を取り上げてみることも必要だったのではないかと思いますし、労働弁護団のはたらくもののいのちと健康を守る全国センター等幅広く取材されるべきではなかったでしょうか。人減らしが進む一方で労働者の権利が無視される傾向は今まで以上に強まると思われます。賃金未払い残業(いわゆるサービス残業)問題と共に引き続き追及の取り組みを期待しています。(60歳代・男性)

 働く者にとって遠い存在である労災保険が、自分も含めて大変身近な問題であることを知らしめてくれました。(50歳代・男性)

 実務をしている私にとっても大変参考になる本である。しかし、言い回しや細かいところが少しちがうかなとのところもあった。(40歳代・男性)

 とても良い本を出版して下さって、ありがとうございます。読みやすいので、皆さんにお勧めしています。(労働局の方にも!)

図書紹介記事

 労働法学研究会報(2005年6月15日No.2359)
  「BOOK REVIEW」

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 ひろばユニオン(2005年2月号)「読書案内」欄

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 労働と健康(第187号 2005年1月1日発行)「BOOK」欄 

「事業者は、労働者が労働災害又はその他就業中又は事業所内若しくはその附属建物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡、又は休業したときは、遅滞なく様式23号による報告書を所轄労働基準監督署に提出しなければならない」 労働安全衛生規則第97条
「厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するために必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業主、労働者、機械等貸与者、建築物貸与者又はコンサルタントに対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる」 労働安全衛生法第100条
「次のいずれかに該当する者は50万円以下の罰金に処する。
 五 第100条第1項又は第3項の規程による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかった者」 労働安全衛生法第120条

 労働災害が起これば、事業主は労働基準監督署に届け出ることが労働安全衛生法で義務付けられている。違反すれば罰せられる犯罪行為である。
 しかし、仕事上の事故が起こっても監督署に届けない深刻な事態が拡がっている。被災した労働者は労災保険を使えない。(労災保険請求権は当然労働者にあるが実態はさまざまな要因で行われていない)治療費も自己負担で、労災認定されれば当然受けられる権利が奪われ、障害が残っても補償もなく、休業が長引けば解雇の不安にさらされる等重大な人権侵害が横行している。2003年11月の厚生労働省のまとめでも2003年1月〜10月までの間で106件。労働安全衛生法100条及び120条違反の「労災隠し」による検察庁への送検件数は、1998年79件、1999年74件、2000年91件、2001年126件、2002年97件と、事業者の悪質な犯罪行為は後を立たない。社会保険庁の年間3億枚ものレセプトの中からのチェックの結果、労災保険扱いとすべきものが過去10年間に約58万件も見つかった。労災保険なら患者が支払う必要がない自己負担分は約40億に達したということだ。

 本書は「本来は労災保険の適用を申請すべきであるのに、健康保険で処理していたケースが社会保険庁の調査で多数ある」という労災相談スタッフからの情報から取材が始まったとのことだ。労災隠しは下請け・孫請けなど重層構造の建設業界に端的に見られる入札指名問題との関係、労災保険制度のメリット制や企業のゼロ災害達成運動との関連、労働行政の労働基準の監督と労災保険担当との連携の問題、労働者への制度周知の徹底との関連等々、労災隠しの背景に綿密な取材事実を基に切り込んでいく。
 私は、本書を読んでいて、現在でも横行する労災隠しのもとで苦しめられている労働者や家族・遺族が、規制改革推進会議が進めようとしている「労災保険民営化」などということが行われたらどれだけ苦しめられるかと、改めて労災民営化阻止運動への思いを新たにした。
 さらに、労災掘り起こしを進めるための活動を考える上でも得るものが多かった。
 労災職業病運動の関係者や労働組合役員の方々に是非読んで頂きたい。なお、本号特集の原一郎論文に紹介されている「化学物質過敏症 初の労災」の記事も本書に収載されている。〈梶山代子)

 社会新報(2005年1月13日)「書評」欄 

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 毎日新聞大阪本社版(2004年12月23日)「生活 いきいき 家庭」欄

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 毎日新聞東京本社版(2004年12月17日)「生活 いきいき 家庭」欄 

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 原子力資料情報室通信(2004年12月1日)「資料紹介」

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 週刊東洋経済(2004年11月27日)「ブックレビュー」短評

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 毎日新聞(2004年11月17日)「ブックウオッチング」新刊

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